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リニアモーターカーの原理 超伝導とは

日本が威信をかけて開発しているリニアモーターカーには超伝導の技術が使われています。リニアを開発している国はいくつかありますが、超伝導を使ったリニアモーターカーは日本だけです。

リニアモーターカーの原理を理解するためのキーワードは「超伝導」「電気抵抗」「磁場(磁石)」「電磁誘導」です。この4つのキーワードを把握すれば、超電導リニアモーターカーの原理を理解することができます。

超電導リニアモーターカーの原理 超伝導と電気抵抗

では、超伝導とはどのような技術なのでしょうか?「ちょうでんどう」は漢字で書くと「超伝導」もしくは「超電導」ですが、どちらも同じ意味です。学術上は「超伝導」、リニアモーターカーは「超電導」を使用しているようです。

「超伝導」を辞典で調べると難しい専門用語が並んでいてよく理解できないですよね。簡単に言うと電気抵抗が零(ゼロ)になる現象です。ある種の金属を超低温状態に冷却することで電気抵抗が零(ゼロ)になります。

どんな物質にも電気を通すと電気抵抗が生じます。電気抵抗が生じると熱が発生します。熱が発生するということはエネルギーを消費している状態です。例えば、家庭にある電気コード(延長コード)をコンセントに差し込むと銅線に電流が流れます。

銅線の電気抵抗により熱が発生してエネルギーを消費します。つまり、電気コード(延長コード)をコンセントに差すだけで電力を消費しているのです。電気コード(延長コード)にはあらかじめ流せる電流の容量が決まっています。決められた容量以上の電流を流すと発熱して銅線が焼き切れてしまいます。電気抵抗があると流せる電流には限界があるのです。

しかし、電気抵抗が零(ゼロ)の素材を使って家庭用の電気コード(延長コード)を作れば熱の発生を抑え、理論上は大電流をいつまでも流し続けることができます。電気抵抗を零(ゼロ)にして、大電流を安定して流すことが超電導リニアモーターカーには必要になります。では、どうしてリニアモーターカーには、電気抵抗零(ゼロ)と大電流が必要なのでしょうか?

リニアモーターカーの原理 磁石

永久磁石

リニアモーターカーの詳しい原理は知らなくても、磁石の反発力、吸引力を利用しているということは聞いたことがあると思います。リニアモーターカーの走行、浮上には磁石が大きな役割を担っているのです。その磁石は、大きく分けると電磁石と永久磁石に分類されます。

電磁石は、コイル(電線をらせん状に巻いもの)に電流を流すことで作ることができます。電流の流れる方向を変えることで磁極(N極、S極)を変えることができますが、電流を流さないと磁石としての機能を失います。

永久磁石は、鉄などの磁性体を電磁石の中に置くことで作ることができます。一般的に磁石というと永久磁石を思い浮かべるのではないでしょうか。小学生の頃、理科の実験で永久磁石に砂鉄や釘をくっつけましたよね。学校の黒板や家庭の冷蔵庫にメモを貼りつける磁石も永久磁石です。永久磁石は電流を流し続けなくても磁力を保持することができますが、磁極(N極、S極)は一定です。

リニアモーターカーには電磁石を使用しますが、なぜ電磁石なのでしょうか?電流をストップしても磁石として機能する永久磁石のほうが便利なのに?と思いますよね。

リニアモーターカーを走行、浮上させるには強力な磁石(磁場)が必要です。しかし、永久磁石ではそのパワーが足りないのです。そのため、リニアモーターカーには電磁石が使われています。コイルに流す電流を大きくすれば磁力も高くなり強力な磁場が発生するからです。

ただし、通常のコイルには電気抵抗があるため、大きな電流を流すことができません。そこで必要になるのが、電気抵抗を零(ゼロ)にする超伝導の技術なのです。

リニアモーターカーの原理 磁場

物質に電流を流すと電気抵抗が生じることは説明しましたが、電気抵抗の他に磁場が発生します。リニアモーターカーを走行、浮上させるには、磁石の反発力、吸引力を利用するため強力な磁場が必要になります。強力な磁場を発生させるには大きな容量の電流を流す必要があるのです。

電気抵抗が生じると流せる電流の量には限界があるのですが、電気抵抗が零(ゼロ)になれば大容量の電流を流し続けることができます。電気抵抗が零(ゼロ)の状態でも磁場は発生します。そして、大電流ほど強力な磁場が形成されるのです。

つまり、超電導リニアモーターカーを走行、浮上させるには磁石の反発力、吸引力が必要であり、リニアモーターカーを浮上させるほどの大きな磁力を得るには強力な磁場が必要で、強力な磁場を作るためには電気抵抗を零(ゼロ)にして、大電流を流すことが絶対条件なのです。こうして、電気抵抗が零(ゼロ)の電磁石である超電導磁石が開発されました。

超電導磁石(ちょうでんどうじしゃく)の構造

超電導磁石 ちょうでんどうじしゃく

超電導磁石(ちょうでんどうじしゃく)は、先ほど説明したとおり、永久磁石ではなく電磁石です。電磁石はコイルに電流を流すことで磁力を発生させるのですが、通常のコイルには電気抵抗があるので大電流を流すことができません。そのため、超電導材素材(ニオブチタン、二ホウ化マグネシウムなど)でコイルを作り、そのコイルを液体窒素で-196℃に冷却することで電気抵抗を零(ゼロ)の状態にするのです。

日本の超電導リニアモーターカーの車体には、この超電導磁石が搭載されています。ひとつの超伝導磁石にはコイルが4つと車載冷凍機、液体窒素がセットになっています。この超電導磁石がリニアの車体両側にいくつも搭載されているのです。

リニアモーターカーと超電導磁石

ここまでで、超電導リニアモーターカーの原理のうち「超伝導」「電気抵抗」「磁場(磁石)」について説明しました。 何となく理解できたでしょうか。

ここから先は、リニアモーターカーの走行、浮上の原理「電磁誘導」「誘導電流」について詳しい説明をしていきたいと思います。

リニアモーターカーの走行と浮上の原理

ガイドウェイ

超電導リニアモーターカーはレールの上を走行するのではなく、ガイドウェイを走行します。ガイドウェイとは、U字の形をしたリニアモーターカーの走行路のことです。

ガイドウェイにはコイルが設置されていて、コイルに電流が流れることで強力な磁場が発生します。リニアモーターカーの車体には超電導磁石が搭載されているので、ガイドウェイと超電導磁石との間に反発力と吸引力が発生し、その力を利用してリニアモーターカーは走行、浮上することができるのです。

ガイドウェイのコイル「浮上・案内コイル」と「推進コイル」

ガイドウェイと浮上・案内コイル

リニアが走行するガイドウェイには「浮上・案内コイル」と「推進コイル」の2種類があります。

「浮上・案内コイル」はリニアモーターカーを浮かせる役目と、ガイドウェイとリニアの間の距離をコントロールする役目があります。「推進コイル」はリニアモーターカーを前へと推し進める役目を担っています。

ガイドウェイの両側の側壁には全線にわたりこの「浮上・案内コイル」と「推進コイル」が敷き詰められています。「浮上・案内コイル」を前面に、「推進コイル」を背面に設置する2層構造になっています。

浮上・案内コイル

■リニアが浮上する原理
浮上・案内コイル

「浮上・案内コイル」は八の字の形をしていて、上と下で極が異なります。上がS極なら下はN極となります。この上下の極が違うことが重要なのです。

磁石にはS極とN極があることはご存じだと思います。S極どうし、N極どうしは反発し、S極とN極は引き合います。

例えば、リニアモーターカーに搭載された超電導磁石のひとつがS極、「浮上・案内コイル」の上がN極、下がS極だとします。

リニア側の磁石はS極なので「浮上・案内コイル」の 下のS極とは反発し、上のN極と引き合います。下は反発し、上は引き合うことで浮力を得ることができるのです。

リニアモーターカー浮上の原理
■リニアが安定して走行できる原理 「電磁誘導」と「誘導電流」

「浮上・案内コイル」には、ガイドウェイとリニアの間の距離をコントロールするというもうひとつの役目があります。リニアモーターカーがガイドウェイに接触したり、飛び出さないようにするための原理ですが、これを説明するには「電磁誘導」の知識が必要になります。

「電磁誘導」とは、簡単に説明するとコイルに磁石を近づけるとコイルに電流が流れる現象です。このとき流れる電流を「誘導電流」と呼びますが、この「誘導電流」によってコイルは磁石の性質をもつようになります。

磁石の性質を持ったコイルには、押し戻そうとする力が働きます。この押し戻そうとする力がポイントです。つまり、コイルにS極の磁石を近づけると、コイルには「電磁誘導」の現象が起こり「誘導電流」が流れ、磁石としての性質をもつようになります。コイルは、自らS極の磁石となり、近づけたS極の磁石を押し戻そうとします。これが「電磁誘導」の原理です。

リニアモーターカー 電磁誘導

これをリニアモーターカーに当てはめてみます。リニアモーターカーの車両には超電導磁石が設置されています。ガイドウェイには「浮上・案内コイル」が設置されています。リニアモーターカーの超電導磁石が「浮上・案内コイル」に近づくと、「浮上・案内コイル」には「電磁誘導」により「誘導電流」が流れ「浮上・案内コイル」は磁石としての性質を持つようになります。

リニアモーターカーの超電導磁石がS極の場合、リニアモーターカーが上にずれて「浮上・案内コイル」の上側の磁石に 近づくと「浮上・案内コイル」の上側の磁石はS極となりリニアモーターカーを押し戻そうとするのです。

では、反対にリニアモーターカーが下にずれた場合はどうでしょうか?リニアモーターカーの超電導磁石がS極の場合、リニアモーターカーが下にずれて「浮上・案内コイル」の下側の磁石に近づくと「浮上・案内コイル」の下側の磁石はS極となり、リニアモーターカーを押し戻すのです。

このように「電磁誘導」と「誘導電流」の働きにより、リニアモーターカーは安定して走行できる仕組みになっているのです。

推進コイル

推進コイルの図

リニアモーターカーが走行するガイドウェイには、「浮上・案内コイル」の他に「推進コイル」が設置されています。 「浮上・案内コイル」が前面、「推進コイル」が背面にあり、二重構造になっています。

「推進コイル」は、その名の通り、リニアモーターカーを前へ進めるためのコイルです。「推進コイル」は何もない状態では電流が流れていません。リニアモーターカーが近づくと電流を流して磁場を作ります。

「推進コイル」は、リニアモーターカーの移動に合わせて、S極とN極を切り替えます。リニアモーターカーの磁石がS極の場合、「推進コイル」の磁石をN極にすることでリニアを引きつけ、引きつけた後に、「推進コイル」の磁石をS極に切り替えることで、今度はリニアモーターカーを押し出します。

このように、S極、N極、S極、N極・・・・と「推進コイル」の磁極を切り替えることでリニアモーターカーが前進するのです。電流を流すタイミングや磁極の切り替えは、コンピューターで制御されています。

リニアモーターカー走行の原理

リニアモーターカーの原理まとめ

  • 電気抵抗を零(ゼロ)にすれば大電流を安定して流し続けることができる
  • 大電流を流すことで強力な磁場を発生させることができる
  • 超電導素材でコイルを作りリニアモーターカーの車体に搭載する
  • リニアモーターカーの車体に搭載したコイルを冷却することで、電気抵抗が零(ゼロ)になり大電流を流し続けることができる(超電導磁石)
  • ガイドウェイに「浮上・案内コイル」と「推進コイル」を設置
  • ガイドウェイにリニアモーターカーが近づくと、リニアの車体に搭載されている超伝導磁石と「浮上・案内コイル」との間に「電磁誘導」が起こり「誘導電流」が流れる
  • 「電磁誘導」によりリニアはガイドウェイに接触することなく浮上して走行することができる。
  • リニアモーターカーが近づくと、ガイドウェイの「推進コイル」に電流を流す 、S極、N極、S極、N極・・・・と「推進コイル」の磁極を切り替える
  • リニアの車体に搭載されている超伝導磁石と「推進コイル」が反発、吸引を繰り返し前へと走行する

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