ジャンクワードドットコム・歴史と暮らしのポータルサイト

2025.10.12

未経験からWebデザインを始める前に知っておきたい準備・心構え・お金の話

Webデザインを始めようと思っても、「何から準備すればいいの?」「どれくらいお金がかかるの?」と迷う人は多いでしょう。昔はスクールに通うのが当たり前で、始めるだけでも高額な費用がかかりました。けれど今は、無料ツールやAIの進化によって、誰でも低コストで学べる時代です。この記事では、20年前からWebデザインに携わってきた私の経験をもとに、未経験者が無理なく学び始めるためのポイントを解説します。

-・- 目次 -・-
  • 今の時代、Webデザインは低コストで始められる
    • 20年前は150万円必要だった!当時と今の環境の違い
    • 無料ツール・AIツールの登場で学びのハードルが下がった
    • 学習費用の全体像(最低限構成/理想構成)
  • 最初にそろえるものと費用の目安
    • 【パソコン】MacかWindowsか、どちらを選ぶべき?
    • 【ツール・教材・周辺機器】学習スタート時にそろえるものまとめ
  • 学習を始める前に知っておきたい"心構え"3つ
    • (1) 完璧を求めない:「学びながらそろえる」姿勢が大事
    • (2) 習慣化のコツ:毎日15分でも"触る"環境を作る
    • (3) 失敗を恐れず公開する:小さなアウトプットが自信になる

未経験からWebデザインを始める前に知っておきたい準備・心構え・お金の話 イメージ画像 作成:junk-word.com
Webデザインを始める前の準備 AIによるイメージ画像 作成:junk-word.com

今の時代、Webデザインは低コストで始められる

20年前は150万円必要だった!当時と今の環境の違い

20年前、Webデザインを学ぶにはスクールに通うのが一般的でした。私自身もその時代に学んだ一人で、入学金と授業料だけでおよそ100万円。そこにパソコン、ソフト、書籍代を加えると、総額で150万円ほどかかりました。学費の高さに驚きながらも、「プロになるには仕方ない」と思っていたのを覚えています。

しかし現在では、環境が大きく変わりました。オンライン講座やYouTube、そしてAIツールの進化により、無料あるいは低コストで学べる時代です。特別なスクールに通わなくても、質の高い教材や実践的な情報がすぐ手に入ります。かつては限られた人しか踏み出せなかったWebデザインの世界に、今は誰でもアクセスできるようになりました。

無料ツール・AIツールの登場で学びのハードルが下がった

いまのWebデザイン学習は、かつてとは比べものにならないほど始めやすくなりました。FigmaやCanva、Photopeaといった無料ツールを使えば、ブラウザだけでデザイン練習が可能です。インストールも不要で、パソコンの性能に依存しないのが大きな強みです。

さらに、AIツールの登場が学習環境を一変させました。ChatGPTに「この配色はどんな印象を与える?」と質問したり、Figma AIでワイヤーフレームの自動生成を試したりすることで、初心者でも"実務的な思考プロセス"を短時間で体験できます。従来は経験を積まなければ得られなかった学びを、AIがリアルタイムで補ってくれる時代です。

昔は「まずAdobe製品を購入してから」が出発点でしたが、今はツールを持たなくても学べる環境が整っています。AIと無料ツールを組み合わせれば、初期費用を1/5以下に抑えながら、プロの制作現場に近い環境を再現することも可能です。これから学ぶ人にとって、これほど追い風の時代はありません。

学習費用の全体像(最低限構成/理想構成)

独学でWebデザインを学ぶ場合、かかる費用は使う環境によって変わります。ここでは「新規でパソコンを購入する場合」と「今あるパソコンを活用する場合」の2パターンに分けて、実際のコスト感を紹介します。

① 新しくパソコンを購入する場合(初期投資型)

最もオーソドックスな方法です。これから本格的にWebデザインを学びたい人や、スペックの低いパソコンしか持っていない人は、このパターンをおすすめします。

  • パソコン:10〜15万円(メモリ16GB以上推奨、SSD搭載モデル)
  • ソフト:Figma無料、Adobe CCは月7,000円前後(年間契約で約8万円)
  • 教材:書籍・Udemy講座・オンライン教材などで1〜2万円
  • 周辺機器:外付けモニター・マウス・ノート・USBメモリなどで2〜3万円

合計で約15〜25万円ほどが目安で、十分に実務レベルまで学ぶことが可能です。

② 現在のパソコンを活用する場合(低コスト型)

すでに自宅にパソコンがある場合は、それを使って学ぶのが最もコスパの高い方法です。ブラウザベースで動くFigmaを中心に学ぶなら、高性能なグラフィックボードは不要です。ただし、メモリが8GB以下のパソコンでは、ブラウザや複数ツールを同時に開いたときに動作が重くなることがあります。

その場合は、メモリを増設するだけで快適さが大きく変わります。たとえば、8GB → 16GBへの増設なら、約6,000〜10,000円の費用で対応可能です。ノートPCでも、最近のモデルであれば自分でメモリを差し替えられるものが増えています。

  • 既存パソコン:買い替え不要(必要に応じてメモリ増設 6,000〜10,000円)
  • ソフト:Figma無料、Adobe CCは月7,000円前後
  • 教材:書籍・動画講座などで1〜2万円
  • その他:ノート・外付けSSDなどで1万円前後

合計で約3〜6万円からスタートできます。無料ツールとAIを組み合わせれば、スクールに通うよりも圧倒的に低コストで実践的なスキルを身につけられます。

パソコンを新しく買うか、今あるものを使うかは人それぞれですが、最初は「今の環境でできるところまでやる」姿勢で十分です。実際に学び始めてから必要を感じたタイミングで買い替える方が、ムダがありません。

最初にそろえるものと費用の目安

【パソコン】MacかWindowsか、どちらを選ぶべき?

Webデザイナーを目指す上で、「MacとWindowsのどちらを選ぶか」は最初の大きな分岐点です。デザイン業界ではMacユーザーが多い印象がありますが、初心者の方にはあえて「Windows」をおすすめします。その理由は、学習環境の柔軟さと、業務での互換性トラブルを避けやすい点にあります。

初心者が知っておくべき「互換性の壁」

主要なデザインツール(Photoshop、Illustrator、Figmaなど)は、Mac・Windowsどちらでも使用できます。しかし、問題となるのはファイルをやり取りする際の「OS間の互換性」です。実際にトラブルの多いポイントは次の3つです。

(1)ファイル名の文字化け
Macで作成した日本語のファイル名やフォルダ名を、Windowsで開くと文字化けを起こすことがあります。クライアントや協力会社にデータを渡す際、これが原因で信頼を損ねるケースもあります。

(2)フォントの不一致とレイアウト崩れ
MacとWindowsでは標準搭載フォントが異なるため、デザインファイルを開くとレイアウトがずれてしまうことがあります。特にWordやPowerPointなどで資料を共有する際は注意が必要です。

(3)企業との円滑なやり取り
日本の企業や官公庁では、依然としてWindowsが主流です。「Macで作ったファイルが開けない」「文字化けして見られない」といったトラブルは、初心者にとって大きなストレスになります。円滑なコミュニケーションのためにも、最初はWindows環境に慣れておくことをおすすめします。

結論:Mac好き以外はWindowsがおすすめ

デザイン業界以外の企業やお客様とやり取りする機会を想定すると、汎用性が高くコストも抑えられるWindows PCが最適です。多くの現場で使われているOSに慣れておくことは、デザイナーとしての「ビジネス基礎力」にもつながります。

また、近年ではFigmaを中心に学ぶ人が増えています。Figmaはブラウザ上で動作するクラウドツールのため、グラフィックボード(GPU)がなくても快適に動作します。IllustratorやPhotoshopのように高い処理能力を必要とせず、一般的なノートPCでも十分に学習可能です。高価なマシンを無理に購入する必要はありません。

ただし、将来的に動画編集や3Dデザインなど、負荷の高い作業を行う予定がある場合は、グラボ搭載PCを検討しましょう。まずは「今の自分に必要な範囲」で環境を整えることが、ムダのない賢い始め方です。

【ツール・教材・周辺機器】学習スタート時にそろえるものまとめ

Webデザインの学習を始めるとき、「どのソフトを使えばいいのか」「どこまで道具をそろえるべきか」で迷う人は多いでしょう。結論から言えば、最初は無料ツールと最低限の教材だけで十分です。いきなりAdobeを導入する必要はありません。

デザインソフトの選び方

初心者はまずFigmaまたはCanvaから始めましょう。どちらも無料で使える範囲が広く、ブラウザ上で動作するためスペックの高いパソコンも必要ありません。特にFigmaはWebデザインの業界標準ツールとなりつつあり、後からPhotoshopやIllustratorへ移行してもスムーズに対応できます。

Adobe製品(Photoshop、Illustrator)は、デザインに慣れてから導入すれば十分です。学習初期の段階では、費用をかけるよりも"デザインの基礎理解"に時間を使いましょう。

教材と学習リソース

参考書は1〜2冊に絞り、実践型のオンライン講座(Udemyなど)を1本購入するのがおすすめです。無料のYouTube教材も質が高く、まずはそれで基礎をつかむのも良い方法です。自分に合う教材を見つけたら、それを繰り返し使って理解を深めましょう。

周辺機器とその他の備品

最初のうちはノートパソコン1台で十分です。サブモニターやペンタブレット、外付けストレージなどは、学習が進んでから必要に応じて買い足せば問題ありません。最初からすべてをそろえようとすると出費が増えるだけでなく、学習のハードルも上がってしまいます。

大切なのは「今の自分に必要な範囲」で始めることです。必要なツールや機材は、学びながら少しずつ増やしていけば十分に間に合います。

学習を始める前に知っておきたい"心構え"3つ

(1) 完璧を求めない:「学びながらそろえる」姿勢が大事

Webデザインを始めるとき、多くの人が「まず環境を完璧に整えなきゃ」と考えます。しかし、実際には最初から高性能なPCや高価なソフトは必要ありません。大切なのは、学びながら自分に必要なものを見つけていく姿勢です。最初は無料ツールで十分。必要に応じて少しずつアップグレードしていけば問題ありません。古いノートPCでも基礎は身につきます。最初から完璧を目指すより、「まず動く」ことで学びの速度が格段に上がります。

(2) 習慣化のコツ:毎日15分でも"触る"環境を作る

Webデザインは"継続力"がすべてです。1日だけ長時間勉強するより、毎日少しでもツールに触れるほうが確実に身につきます。人の脳は「間を空けずに触れる」ことで定着が深まるからです。 机に向かえない日でも、スマホでデザイン事例を眺めたり、色使いを分析するだけでも立派な学びです。重要なのは「1日空けないこと」。15分でも続けることで、習慣として根付いていきます。継続は努力ではなく、環境づくりで決まります。

(3) 失敗を恐れず公開する:小さなアウトプットが自信になる

最初のうちは「人に見せるなんて無理」と感じるかもしれません。しかし、自分の作品を客観的に見てもらうことは、上達への大きな一歩です。いきなりSNSに投稿する必要はありません。まずは家族や友人、職場の同僚など、安心できる相手に見てもらいましょう。感想を聞くことで、自分では気づかなかった点に気づけます。少しずつ"人に見せること"に慣れていけば、自信も自然とついてきます。アウトプットは、上手に見せるためではなく、自分の成長を確かめるために行うものです。

Webデザインを始める前に知っておきたい準備・心構え・お金のまとめ

  • 今は誰でも低コストでWebデザインを学べる時代
  • 20年前はスクール費用だけで100万円以上かかった
  • 無料ツールやAIで学習のハードルが大幅に下がった
  • オンライン教材とYouTubeで実践的に学べる
  • PC新規購入なら15〜25万円が学習環境の目安
  • 既存PC活用なら3〜6万円でスタート可能
  • メモリ8GB→16GB増設で快適さが向上
  • 初心者はMacより互換性に強いWindowsが無難
  • FigmaはGPU不要で軽く動作する学習向けツール
  • ツールや教材は最初から完璧にそろえなくていい
  • 1日15分でも触ることで継続力が身につく
  • 学びながら環境を整える柔軟さが大切
  • 家族や友人に作品を見せて自信を育てよう
  • まずは今ある環境で「最初の一歩」を踏み出す