1925年社会主義思想を取り締まるための法令は?
1925年社会主義思想、社会運動を抑え込むために制定された法令の名称を答えてください。
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治安維持法(ちあんいじほう)です。
治安維持法は「国体の変革」と「私有財産の否認を目的とする結社」を禁止した法令です。国体の変革とは天皇制打倒を意味します。最高刑は懲役10年。
治安維持法は天皇制や私有財産制を認めない勢力、つまり社会主義者(共産主義者)を取り締まるために制定されました。
■治安維持法制定の経緯
明治になり産業が飛躍的な発展を遂げますが、公害や労働環境が大きな問題となり社会運動が活発化します。
政府が社会主義者、無政府主義者に対する取り締まりを強化したことで、社会運動は下火となりますが、ロシア革命、ソ連の成立、日ソ基本条約の締結により社会主義思想が再び広まる可能性がでてきました。
このような情勢の中で、政府(加藤高明内閣)は25歳以上の男子に選挙権を認める普通選挙法の改正に取り組みます。
しかし、有権者の増加による社会主義者の政治介入を懸念する勢力は普通選挙法の改正に反対したのです。
そのため政府は治安維持法を制定して社会主義思想、社会運動の取り締まりを強化することで反対派を説得したのです。