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グレイトフル.デッドの異色作、アメリカン.ビューティ

グレイトフル.デッド 「アメリカン.ビューティ」


それまでのイメージを一新、グレイトフル.デッドが新境地を開拓したとも言えるアルバムが、本作の僅か半年前に発表した前作「Workingman's Dead」と、この「American Beauty」です。


DEADと言えば、60年代中頃に起きたフラワームーブメントにおけるまさに象徴的存在で、西海岸サンフランシスコを代表するアシッドロックバンドとして、ブルースを基調としたサイケデリックなトリップ音楽を打ち出すことにより、ヒッピー達の絶大な支持を得ていました。


しかし70年代に入ると、そのサウンドスタイルに変化が現れ始めます。前作「ワーキングマンズ.デッド」において、意表をついたCS&N(クロスビー、スティルス&ナッシュ)を意識したかのようなアコースティックタッチの美しいハーモニーを全面にフュ-チャ-したサウンドを展開。


これはリーダーのジェリー.ガルシアの趣向から沸き上がった自然な流れかと思われますが、この「アメリカン.ビューティ」では、カントリー、フォーク、ブルーグラスの要素をさらに押し進め、結果、従来のデッドサウンドの特徴ともいえるゆる~いノリと見事にマッチ!、その完璧なまでのハマりっぷりは、ホント!素晴しいの一言に尽きます。


主な収録曲は、1曲目の冒頭からべーシストPhil Lesh作で、Phil本人によるお世辞にも上手いとは言えない不安定なVocalが何とも微笑ましい、「Box Of The Rain」(これも名曲ですよ)で幕を明け、


いきなり肩透かしをくらいますが、ジェリー.ガルシアがバンド発足時にお手伝いをしたカントリーロックバンド「New Riders Of The Purple Sage」でも取り上げられた名曲「Friend Of The Devil」が続き、ガルシアと並びバンドの二枚看板Bob Weir作の、いかにもデッドらしいルーズなノリが楽しめる「Sugar Magnolia」、


文句なしデッドの代表曲である「Ripple」、「Brokedown Palace」、そしていかにもアメリカっぽい長距離トラッカーのロードソングで、Bob Weirの渋いVocalがとにかくかっこいい~、「Truckin'」などなど...。


このアルバムには後々、約25年に渡り延々とLIVEで演奏され続けることとなったレパートリーナンバーが多数収められている点においても、重要な1枚と言えるかもしれません。


デッドの最大の魅力は、スタジオレコーディング作ではなく、絶対的LIVEにあります!興味がある方はぜひ、多数リリースされているライヴ.アルバムで聴くことができる本作「アメリカン.ビューティ」に収録されている名曲たちのライブヴァ-ジョンと、オリジナルヴァ-ジョンを聴き比べてみるのも面白いのではないのでしょうか!


〈アーティスト〉GRATEFUL DEAD / グレイトフル.デッド

〈アルバム.タイトル〉AMERICAN BEAUTY / アメリカン.ビューティ

〈リリース/レーベル〉1970/ WARNER BROS.

「春はあけぼの」のフレーズを知っていても、枕草子を読んだことがある方はそう多くはありません。大河ドラマをきっかけに清少納言と枕草子に興味を持つ方が増えると思いますので、3回に分けてお伝えすることにしました。1回目は清少納言の家族と祖先清原氏の話を中心に、枕草子を書くことになったきっかけや「源氏物語」との違い、清少納言と紫式部の関係を特集します。ぜひご覧ください。